COVID-19の検出
FPGAベースでCovid-19の肺感染症(肺炎)の検出
Covid-19は2020年を世界中の誰にとっても忘れられない年にしました。多くの人が感染し 多くの人が愛する人を失いました。
ウイルスから人々を保護するために世界保健機関(WHO)によって提案された多くの安全規則がありました。また、Covid-19の症状を早期に認識し、そしてもし人が非常に具合が悪くなってきた場合には、患者の身体、特に肺へのウイルスの影響を検出することが重要であることが強調されています。
肺の損傷を正確に評価する方法の一つに胸部レントゲンがあります。しかしながら世界的に患者数が多いため、高速かつ高性能な検出方法が不可欠となります。
この点で、ニューラルネットワークは医師が両肺の感染症である肺炎を早期に発見することに役立ちます。
ニューラルネットワークはさまざまな処理技術を使用して実装できますが、FPGAは高い性能と再構成性に優れているため最適な選択になります。
肺感染症の検出が求められているため、アルデックはTySOM組込み開発ボードと連携するFPGAベースのCovid-19診断ソリューションを用意しました。 ニューラルネットワークアルゴリズムは、TySOM-3A-ZU19EGデバイス上のZynq MPSoC XCZU19EGによって計算されます。
FPGAでの深層学習を使用して肺のCovid-19(コロナウイルス)感染を検出するために、3575枚の写真をトレーニングに使用し、136枚の写真をアルゴリズム検証に使用しました。データセット内の画像は2つのグループ(肺炎のある患者とない患者)に分けられています。深層学習アルゴリズムは、写真をCOVID-19感染と非感染に分類します。このプロジェクトでは、Yolov3ニューラルネットワークが使用されています。結果は、ボード上のWi-Fiデバイスを使用してボードから送信されます。 このプロジェクトでは、FPGA内で2つのディープラーニングプロセッシングユニット(DPU)が使用されています。 下記画像は、デザインレイアウトの概要を示しています。
ディープラーニングを使用してFPGAでCovid-19(コロナウイルス)検出を実行結果のサマリは次のとおりです:
- Covidオブジェクト検出確率は99.97%
図 1 FPGAを使用したCovid-19感染検出の結果
- 非Covidオブジェクト検出確率は99.71%
図 2 TySOM-3A非covidオブジェクト分類の結果
このプロジェクトのベンチマークを実行後、次の結果が得られました:
- Zynq MPSoC US+ ZU19EGチップのプログラマブルロジックの使用量:
Part | LUT | LUTRAM | FF | BRAM | DSP | IO | GT | BUFG | MMCM |
Utilization (%) | 29.7 | 9.9 | 26.6 | 58.5 | 60.2 | 8.8 | 18.7 | 2.3 | 27.2 |
- フレーム/秒のサマリ
Number of DPU cores | Application | Yolov3-Custom | Yolov3-Example |
2 | FPS | 28.1 | 27.6 |
- DPUクロック設定
DPU Instance Name | dpu_xrt_top_1 | dpu_xrt_top_2 | |||||||
DPU Clk | Aclk | Ap_clk_2 | Aclk | Ap_clk_2 | |||||
Clk Frequency (Hz) | 300 | 600 | 300 | 600 |
アルデックは、命を救うためにこのソリューションを提供しています。TySOMボードのユーザーは、このリファレンスデザインにアクセスし、さらに機能を追加するために拡張することができます。以下に、このソリューションの内容を示します。.
主な特徴
- TySOM-3A-ZU19EG組込み開発ボードが含まれています
- デモの実行方法に関するリファレンスデザイン
- 肺感染症の検出で最大30 FPSのパフォーマンス
- ビルド済みですぐに使用出来るファイルをSDカードにプリロード
ソリューションの内容
- ディープラーニングを使用したFPGAベースのCOVID-19肺感染症の検出
- TySOM-3A-ZU19EG Vitisプラットフォーム
- ボード上で実行用のビルド済みのpeta linux組込みOS
- デザインの説明とソースコードが含まれています